遠出にかかせない交通手段である飛行機。そしてそのターミナルの役割を果たす空港。
実は日本のほとんどの空港が赤字なのを知っていますか?そしてなぜ赤字なのか、そして赤字のお金はどこで補填されているのか。。
今回はそれらについて軽く説明していきたいと思います!
旅客便が就航する空港は全部で85か所
まず日本にはいくつの空港があるのかということですが、旅客便、すなわち私たちが普段乗るような飛行機が就航する空港は日本全部で85か所あります。
日本の都道府県の数である47の2倍弱もあり、単純計算で1都道府県に2つも空港がある計算になるのです。
そしてそれらの空港は空港法によって大きく4つに分類されるのですが、この記事ではそれらの説明は取り扱わず、主に国が管理している空港と地方自治体が管理している空港の2つをメインにみていきたいと思います。
国管理空港の収支状況は?
国が直接管理している国管理空港は全部で18か所です。
国管理空港は滑走路などの航空機事業は国が管理しています。旅客ターミナルなどは民間が管理しています。
そしてその18の空港の収益状況はどうなっているのか。
結論から言うと羽田空港以外の空港はすべて億単位の赤字となっています。
18か所合計の収支で見ると300億超えの赤字になっています。
地方管理空港の収支状況は?
次に地方管理空港の収支をみていきます。
地方管理空港は各地方自治体が建設・管理・運営を行っている空港です。
その数は全部で54にまで及びます。収支状況を見るには各自治体のHPに行く必要があります。
(以下の国土交通省のページから一覧がみれます。)
ここで公開されている42か所の空港の収益をみると、黒字の空港はなく、また赤字額も億単位まで及んでいることがみてとれます。
国管理、地方管理の空港の収支状況からだけでも日本のほとんどの空港が赤字なのがみてとれます。
そして現在、地方空港の9割以上が赤字と言われています。
その他の空港
上記に説明した空港のほかにも会社管理の空港があります。
成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港、大阪国際空港の4つです。
これらの空港は国際空港ということもあり、コロナの影響を強く受け、赤字となってしまっています。そして2023年、黒字への転換へと順調に歩んでいます。
空港はなぜ赤字なのか?
そして本題のなぜ空港は赤字なのかということについて説明します。
空港の収入源は?
空港の主な収入源は飛行機利用者の乗車料からエアラインが支払う施設・空港使用料とターミナルでの物販やレストランの売り上げとなっています。
これらの数字は乗客の数に依存しているため、乗客の数が空港の経営を握っています。
また空港使用料とは、着陸料や停留料を指していて、旅客機のサイズが大きくなるほどこれらの料金は高くなっていきます。
赤字の理由① そもそもの利用者が少ない
赤字の経営の1つ目はそもそも利用者数が少ないことが挙げられます。
主に地方の空港に当てはまり、地方の空港は就航している飛行機の数が少ないために利用客数も少なく、収支面と釣り合いません。
就航する数を増やそうにも、大手航空会社は利用客を見込めない地域への就航は採算が取れないと踏み出しづらく、増やせないのが現実です。
これらの負の連鎖が空港の経営をますます苦しいものにしているのです。
赤字の理由② 人口減少による需要減少
そして日本における大きな問題である少子高齢化の問題が空港経営にも現れています。
人口の減少によって国内線を利用する人の数の伸びが期待できないために、現在、そして今後の経営回復が見込めない状況となっているのです。
今後もこの状況が進むことが予測されています。
赤字の理由③ 他交通機関との競合
これは主に新幹線との競合となっています。
空港は性質上、広大な土地が必要なために都市から少し多く離れた場所にあることが多いです。また、地方では都市と空港のアクセスがよくないこともしばしばあります。
一方新幹線は都市の大きな駅に直接到着するため、利便性が非常に高いです。
空港や駅から目的地までのトータルの費用や時間を考えると新幹線のほうが便利だと言うことも多く、地方の空港などは特に大きな影響を受けているのが現状です。
この赤字を補っているのは税金!
そして発生している赤字は何で補っているのか。それは国や自治体からの税です。
約9割の空港が億単位の赤字経営が続いてる中でそれらは税金で補填されているため、自治体や国の税をを圧迫していることは言うまでもありません。
巨額の税が赤字の補填に使われている現状を改善していく必要があります。
進められる民営化
こうした状況を改善するために、近年では空港の「民営化」が進められてきました。
滑走路などの所有権は国に残したまま空港の運営権を民間に移すという方法を実践することにより、空港ビルなどでの物販売り上げを用いて着陸料を下げるなどの柔軟な対応が可能となります。
また市場経済の競争が起こり、それに伴いサービスが向上していくという考えもあります。
こうしたメリットを踏まえ、空港の民営化が進められています。
まとめ
今回は空港の赤字とその理由について紹介しました。
欠かせない交通手段の1つである航空機と空港の運営について今一度よく考える必要があると思います。
地方においては地域と一体となった有効な政策が見つかっていくことを願います。
それでは!
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